2005年4月26日

昨日はドイツで初めて連邦議会の調査委員会でフィッシャー外相が証人喚問された時に、その模様がテレビで生中継された。喚問の理由は、外務省の指令によって、観光ビザの交付基準が緩和され、ウクライナのキエフのドイツ大使館を中心に、30万枚を超えるビザが発行され、その多くがヤミ労働者などによって、ドイツへの不法入国に使われたという疑惑である。フィッシャー外相は、ビザが悪用される可能性に気づくのが遅すぎたという失策は認めたものの、野党の自分の名誉に対する中傷については、敢然と反撃した。

フィッシャー外相はドイツで最も人気がある政治家の一人だが、彼を直接知る人によると、きわめて傲慢な人物であるらしい。相手を馬鹿にしていることを包み隠さず、特にジャーナリストぎらいで有名である。ベルリンでは、「なぜあんなに傲慢な男が国民に好かれるのかわからない」という声も出ているそうだ。